山口は、がん検診受診率がワーストワンの県です。
今回は、山口でがん患者さんをがん経験者が支える活動をする「ポポメリー」について、
代表の藤本育栄(ふじもといくえ)さんにお話を伺いました。
がん?自分は大丈夫。と後回しにせず、結婚や出産を経て守るべき家族が増えたからこそ、
ママ自身が、がんを自分事として考えてみてください。
- もし自分が、がんになったら、子どもはどうすれば?
- もし両親や夫が、がんになったら、自分はどうすれば?
- 子どもから「がんって何?」と聞かれたとき、答えられる?
がんをぐっと身近に感じたときに、頼れる経験者や専門家がいると安心ですよ。
1.「ポポメリー」のコンセプト・特徴・歴史・こだわりなどを教えてください
『私の本職は看護師です。活動では、がんを経験した当事者の目線でピアサポートとして関わります。』
(ピアサポート:がんという病気を体験した人やその家族などがピア(仲間)として
「体験を共有し、ともに考える」ことで、がん患者やその家族などを支援していくこと)
『2019年12月仲間が集まり、2020年4月より市民活動団体として活動開始。
がんに向き合う山口の団体として、相談支援・啓発活動・ピアサポートを
県央部(山口市)を中心に活動を展開しています。』
2.「ポポメリー」ではどんな活動をされていますか?
『医療と家庭の間にある「ポポメリー」では、がんを経験したり寄り添ったりできる仲間が、
仲間を支援するこころとからだの居場所として対話と傾聴をおこないます。』
『他には入浴着やウィッグのことなど、がん患者の日常生活に寄り添った活動をしてます。
会員である仲間は、様々なスキルを持って活動に参加してます。
啓発活動などは、がん患者だけが参加する場ではありませんが、
みんなでがんになっても安心できる山口県であるための活動を展開しています。』
『私たちだからこそ伝えられるいのちの大切さを、がん啓発活動の場所でもお伝えしてます。
啓発活動では、マスコットを作りがんの成長速度とがん検診にいく一声をかけています。
検診受診率ワーストワンの山口県です。』
『わかりやすい説明でいのちの大切さを伝えるだけでなく、
こころを支える周りの人も必要なことをキャンサーくんで伝えてます。』
3.育栄さんが子育てを見ていて想うことやメッセージをお願いします
『代表の私には子どもはいませんが、今育てているのはポポメリーという団体です。
共に活動する仲間には、がんに罹患したときにご自身の子どもが小さかった方がいます。
がんを宣告される年齢が40歳以下の場合、AYA世代※と言われます。
妊娠や出産だけでなく子育てにおいても治療と療養、子育ての狭間で大変苦労をします。
子どもを育てる上で、心身ともに健康であることはとても大切ですね。
子育てに追われて自分の体と対話する時間がない方へお伝えしたいことが、
お子さんのすこやかな成長のためにもご自身の健康とがんになってもあわてない、
がんに対する正しい認識と支援を受けてほしいと願います。』
※AYA:Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもの
4. 「ポポメリー」の今後の活動展望を聴かせてください
『2023年度の活動は「聴いて知って感じ取る」ことがポポメリーの団体目標となってます。
9月10日の市民公開講座「がんピアサポートを知る講座」の講演会に多くの方が
「がんピアサポート」や「がん教育」といった言葉を理解して、
展示会「がん晴るフェア」でがん患者への支援を知って「自分ごと」として感じ取っていただき、
イベントに参加していただけるととても嬉しいです。
そして、一人一人がたいせつないのちに向き合い、みんなで社会課題を一つ一つを笑顔にかえられるよう
大切な誰かに届けられる活動を継続させていきます。
子育てママへのイベント情報として、午前中には子どもたちによる演奏会も開催します。
今回のイベントは、働く女性が親子で楽しめるイベントになっています。
当日の先着順にはなりますが、託児を希望して講演会や相談ブースに立ち寄ることができます。
このイベントでみんなで笑顔になれると嬉しいな。』
5. 育栄さんが地元山口の好きなスポットを教えてください
『最近行けていませんが、地元山口で好きなことのオススメは、足湯に入ることです。
足湯につかりながらゆったりと過ごすのは最高に幸せですね。』
山口市内の湯田温泉街には、無料で利用できる足湯スポットが複数あり、
イベント会場で足湯の出張サービスもあったりするのは、山口ならではですよね。
6.育栄さんが地元山口の好きなところを聴かせてください
『山口の好きなところは、歴史ある街並みが残っていたりするところです。
豊かな水と山々の木々が美しいところ。
そして、海の恵みもありおいしい食材が旬の時期に食べれるのも幸せを感じます。』
笑顔で繋がる「ピアサポーター」を見つけませんか
ピアサポートを行う人たちを「ピアサポーター」といいます。
育栄さんとのお話のなかで『「ベビカフェ」も「ポポメリー」と同じですね。子育てママたちがママを支える。』
とのお言葉をいただきました。
目まぐるしく日々の子育てをするなかで、がんに関する情報を見逃したり
子連れで検診に行くのは難しいという方も多いと思います。
山口は、女性特有の乳がんや子宮頸がんの県別検診受診率で最下位(2019年)。
さらに山口市では、がんの診療施設・制度面ともに県内でも遅れているというお話も伺いました。
検診時の託児利用などに関して、「ポポメリー」と一緒にぜひ声をあげていきましょう。
また「ポポメリー」のイベントへの参加を通して、親子でがんを学び、
がんを正しく恐れるきっかけにできると良いなと感じました。
子育てをするなかで、同じ境遇のピア(仲間)と出会って気持ちを話せたら、自然と笑顔が生まれますよね。
日々の悩みや、漠然と不安に感じる世の中のトピックを共有すると心がスッキリすることも。
ベビカフェでは、これからもママ達の笑顔が増える活動をご紹介していきますね。
【ママプロ図鑑】についての詳細は、下記の記事をご覧ください。
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